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認知症について

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物忘れ・認知症について(2) :記憶障害の分類

認知症の大多数の疾患でみられる最初の症候は、物忘れ、記憶障害、記銘障害です。

  一般的な意味で用いられている物忘れは、エピソード記憶の障害のことです。これは日々の日常生活での出来事を忘れてしまう、覚えられないということです。例えば昨日の晩御飯は何であったか?、今日テレビのニュースを聞いていたが何のことだったか?、先日娘と約束したが全く忘れてしまった!などというものです。このようなことは正常な加齢でもみられます。エピソード記憶障害では、その程度と頻度、および進行性に悪化しているのか、という量的なものが問題となります。一日たつと全く覚えていない状態が10年続く、と言う場合は、認知症とは言えない可能性が大です。一方、すぐ同じ言葉と繰り返す、ご飯を食べたすぐ後にご飯はまだかと言う、などとエピソード記憶の保持が非常に短く(例えば5分ともたない)、緩徐進行性である場合にはアルツハイマー病を疑います。段階的悪化では血管性認知症を疑います。

  一般的には聞きなれないでしょうが意味記憶の障害というものがあります。これは言葉の意味や概念(シニフィエ)と、言葉の音や綴りなどの表すもの(シニフィアン)の、両者あるいは片方が障害される状態といえます。例としては、目の前の事物が何であるか問うと分かります。使用頻度が低い物品、例えばお年寄りにとってコンピュータが答えられないというのは意味記憶障害がどうか分かりませんが、栓抜きが答えられないと、どうでしょうか。さらには時計を言えない場合はどうでしょうか。語の流暢性といいますが、ぺらぺら言葉がでるのに、時計や鉛筆を答えられない場合には意味記憶の障害を考えてもよいでしょう。純粋に意味記憶が障害される病気(意味性認知症)もありますが、一般的にはアルツハイマー病が疑われます(健忘失語ともいえます。しかし、語の想起だけがアルツハイマー病で障害されているとは考えられません)。

  ワーキングメモリ(作動記憶、作業記憶)障害というものもあります。これは一度にいくつもの並列的な記憶を、一時的に保持しているような能力です。例えば、ラーメン屋さんで店員さんが注文を聞きながらラーメンを作り、それを配膳するような能力です。これは生まれつきの能力でもあるのですが、加齢とともにも減退します。電話がかる直前の行為を電話後には忘れている場合などはワーキングメモリの障害にあたり、私自身も経験があります。この能力は脳梗塞などや変性疾患(前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症など)により前頭葉機能が障害された場合に悪化します(文責、大原一幸)。

2015-01-16 14:13:48

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物忘れ・認知症について(1) :”認知症”という言葉

 

認知症という言葉は2004年頃に導入されたもので、医師が使用する用語としては当初より抵抗感があったことを記憶しています。しかし最近では認知症という語は完全に定着し、痴呆症という用語に絡み付いていた否定的なものが取り払われた感があり、言葉の持つ力に驚かされます。もっとも再び”認知症”を”認知””ニンチ”と省略された三語で、世間で使用されている状況はいただけません。人はどうも、自分より弱者に攻撃の矛先を向けるのが好きなようです。

・・・型認知症というような使用では気にならないのですが、”認知症”という用語が放つ一塊で漠然として未分節な感じが私自身は好きになれません。とは言うものの使用しておりますが・・・医師として大事なことは、その認知症の正確な診断名が診断でき(確定できないとしても幾つかの可能性に絞ることができ)、幻覚、妄想、その他の周辺症状への治療方針の決定が、診断名より導きだせることと考えます。診断名がわからず、右往左往していては困りますね(文責、大原一幸)。

2015-01-16 14:12:42

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