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診療関連ブログ、院長より一言

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緊張軽減法(呼吸法、自律訓練)

  • 緊張軽減について(呼吸法、自律訓練法)
  • 呼吸法
     
    腹式呼吸をマスターする必要があります。胸に息を吸い込むのではなく、胃と腸を押し下げるように(お腹のてっぺんを膨らませるように、あるいは腰に息を溜めるように、横隔膜を押し下げて)息を吸うことが肝要です。
    胸に大量の空気を入れようと深呼吸をするのではなくて、腹式呼吸法で息を吸い、少し止め、細く長く息を吐き続けることにより、自律神経が安定します。座禅でも呼吸に意識を集中することにより無の境地へと導かれるように思います。

     
     
     
    自律訓練法
     
    私が自律訓練法を知ったのは35~40年程前の中学生か高校生の頃でしょうか。池見 酉次郎 著の“自己分析―心身医学からみた人間形成 (講談社現代新書 166) 新書 – 1968年 ”を書店で見つけて購入し、シュルツ博士が考案した自律訓練法を実践してみたのが最初です。
     
    自律訓練法は正式には第六公式までありますが、第二公式までが実践的だと思います。椅子に座り閉眼して両手を太もものところにダランとさせ、呼吸を整えつつ以下の公式(文言)を頭の中で唱えます。多様な方法がありますが、Wikipediaを引用すると以下です。
    • 背景公式
        気持ちがとても落ち着いている。(落ち着いている、落ち着いている・・・)
    • 第1公式
        手足が重い。(右手が重い、重い・・・)
    • 第2公式
        手足が暖かい。(右手が暖かい、暖かい・・・・)

       (第3公式以下は書物などを参考のこと)

    自律訓練法では、特有の生理的変化や意識状態(めまい、脱力感など)が生じることもあるため訓練の後は消去動作を行うことが推奨されています。

       消去動作 - 下記の運動により特有の生理的変化や意識状態が取り消される。

    • 1 両手の開閉運動
    • 2 両肘の屈伸運動
    • 3 大きく背のび
    • 4 深呼吸
    (Wikipediaより)
     
    不安、パニック、過呼吸、過緊張がある方は、実践されるとよいでしょう。
     
    全過程を5分程度で終了することも大事な要素です。私の中学高校時代の個人的経験からいうと、リラクゼーションばかりに集中すると時間が経過してしまいます。浦島太郎にならないように注意しなければなりません。(文責 大原一幸)
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2015-04-12 09:38:59

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不安・緊張について(1): 不安障害の概要

 現代においては不安は、心療内科・精神科領域で重要なテーマですが、その歴史はあまり古いものではありません。ベアードBeard(1839 -1883)が文化による消耗として神経衰弱症を取り上げ、その構成要素として、病的不安、強迫症状などが扱われ、1894年にフロイトが、不安神経症を神経衰弱症から分離した、という歴史があります。不安を古来の人間が感じていなかったとは決して言えないのですが、名指される(分節される)ことによってしか人間の認識は深まらないものなのでしょう。ちなみに恐怖症は古来より認識されていたようです。

 さて、不安障害をはじめとする神経症概念は歴史的に形成されてきたのですが、現代ではDSM-IV、ICD-10なる診断基準がスタンダードであり、従来診断とのおおよその対応関係を理解しておく必要があります。それが下図です。

・不安神経症   →  パニック障害、全般性不安障害

・心因反応     →   (心的)外傷後ストレス障害

・恐怖症       →  広場恐怖、社交不安障害(対人恐怖症)
              特定恐怖

・強迫神経症    →   強迫性障害

 この従来診断と現代の診断基準の用い方が、心療内科・精神科の先生の世代によって異なるので、一般の患者さんは混乱することが多いものと思われます(若い先生はDSM,ICD-10を用いるでしょうが、診断基準によって診断できると妄信してはいけません。臨床医は言語的、および非言語的な疾患・症候・徴候学的な精神病理学を、日々自らのうちに構築し、治療に生かさなければなりません)。(文責、大原一幸)

2015-01-16 14:17:09

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物忘れ・認知症について(2) :記憶障害の分類

認知症の大多数の疾患でみられる最初の症候は、物忘れ、記憶障害、記銘障害です。

  一般的な意味で用いられている物忘れは、エピソード記憶の障害のことです。これは日々の日常生活での出来事を忘れてしまう、覚えられないということです。例えば昨日の晩御飯は何であったか?、今日テレビのニュースを聞いていたが何のことだったか?、先日娘と約束したが全く忘れてしまった!などというものです。このようなことは正常な加齢でもみられます。エピソード記憶障害では、その程度と頻度、および進行性に悪化しているのか、という量的なものが問題となります。一日たつと全く覚えていない状態が10年続く、と言う場合は、認知症とは言えない可能性が大です。一方、すぐ同じ言葉と繰り返す、ご飯を食べたすぐ後にご飯はまだかと言う、などとエピソード記憶の保持が非常に短く(例えば5分ともたない)、緩徐進行性である場合にはアルツハイマー病を疑います。段階的悪化では血管性認知症を疑います。

  一般的には聞きなれないでしょうが意味記憶の障害というものがあります。これは言葉の意味や概念(シニフィエ)と、言葉の音や綴りなどの表すもの(シニフィアン)の、両者あるいは片方が障害される状態といえます。例としては、目の前の事物が何であるか問うと分かります。使用頻度が低い物品、例えばお年寄りにとってコンピュータが答えられないというのは意味記憶障害がどうか分かりませんが、栓抜きが答えられないと、どうでしょうか。さらには時計を言えない場合はどうでしょうか。語の流暢性といいますが、ぺらぺら言葉がでるのに、時計や鉛筆を答えられない場合には意味記憶の障害を考えてもよいでしょう。純粋に意味記憶が障害される病気(意味性認知症)もありますが、一般的にはアルツハイマー病が疑われます(健忘失語ともいえます。しかし、語の想起だけがアルツハイマー病で障害されているとは考えられません)。

  ワーキングメモリ(作動記憶、作業記憶)障害というものもあります。これは一度にいくつもの並列的な記憶を、一時的に保持しているような能力です。例えば、ラーメン屋さんで店員さんが注文を聞きながらラーメンを作り、それを配膳するような能力です。これは生まれつきの能力でもあるのですが、加齢とともにも減退します。電話がかる直前の行為を電話後には忘れている場合などはワーキングメモリの障害にあたり、私自身も経験があります。この能力は脳梗塞などや変性疾患(前頭側頭型認知症、皮質基底核変性症など)により前頭葉機能が障害された場合に悪化します(文責、大原一幸)。

2015-01-16 14:13:48

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物忘れ・認知症について(1) :”認知症”という言葉

 

認知症という言葉は2004年頃に導入されたもので、医師が使用する用語としては当初より抵抗感があったことを記憶しています。しかし最近では認知症という語は完全に定着し、痴呆症という用語に絡み付いていた否定的なものが取り払われた感があり、言葉の持つ力に驚かされます。もっとも再び”認知症”を”認知””ニンチ”と省略された三語で、世間で使用されている状況はいただけません。人はどうも、自分より弱者に攻撃の矛先を向けるのが好きなようです。

・・・型認知症というような使用では気にならないのですが、”認知症”という用語が放つ一塊で漠然として未分節な感じが私自身は好きになれません。とは言うものの使用しておりますが・・・医師として大事なことは、その認知症の正確な診断名が診断でき(確定できないとしても幾つかの可能性に絞ることができ)、幻覚、妄想、その他の周辺症状への治療方針の決定が、診断名より導きだせることと考えます。診断名がわからず、右往左往していては困りますね(文責、大原一幸)。

2015-01-16 14:12:42

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うつ病・うつ状態について(3):メランコリアは変化したか?

メランコリアについて

  古代ギリシャ時代のヒポクラテスは病気を、超自然現象としてではなく、自然現象として説明しようと試みました。当時宇宙(コスモス)は”4”つ数字で表される4つの物質とその性質から説明されていたのですが、ヒポクラテスは人の気質についても同様に、”4”つの性質から説明しようとしました。4つの体液(血液、粘液、黒胆汁、黄胆汁)のうちの黒胆汁が優勢な人、すなわち気質あるいは体質的に沈うつな人としてメランコリーを抽出し、さらには沈うつ状態や恐怖が長く続く身体および精神の状態をヒポクラテスが病気として印し付けたのです。このメランコリアとう言葉とその内容は、西洋世界では中世には忘れ去られていましたがルネッサンス期に復活したのです。
  このように、メランコリアでは気質と疾患が同一名であり、気質と疾患が綿密に結びついていたことが分かります。一昔前は、メランコリー親和型性格や執着気質などがうつ病の病前性格として、精神科医の間では確実なコンセンサスを得ていたのです。

うつ病になり易い性格は変化したか?

  メランコリーという気質は、否定的に捉えられているばかりではなく、肯定的に考えられてもいました。例えば芸術はメランコリアと関係しているとされていましたし、几帳面、徹底性、熱中性、他者配慮などは日本社会では成功する性格といえたでしょう。

  しかし、何時の時代からか、日本社会が少しずつ変化し、まさに他者に配慮することよりも、自己中心的思考へと社会全体が変遷しています。ここ数年のインターネットや携帯電話などの普及は現代社会そのものの構造を変化させ、心の問題においても他人との交流のあり様を変え、性格・気質に変化を与えているようです。さらに現代社会のスピード化と過剰なストレスは、ごく普通の人をうつ状態へと追いこんでおり、当然ながらうつ病・うつ状態の性格論の輪郭はぼやけることになります。
  気質、うつ状態・うつ病そのものが現代では変化しているのですが、社会的な要因や気質、ストレス、生活史などを丁寧にうかがうことによって、個人個人に最もあった治療法を選択していくことが大切であると考えています。(文責、大原一幸)。

2015-01-16 14:02:11

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うつ病・うつ状態について(2)、内因性うつ病とは

うつ病・うつ状態について(1)、で示した笠原嘉先生の図の真ん中に、内因性うつ病との記載があります。

 内因性という意味は分かりにくいのでしょうが、対立語として外因性心因性をあげれば理解し易いとおもいます。内因性とは、外からの要因(ステロイド、インターフェロンなどの外的要因)も、ストレスなどの心的な要因(心因性)もなく、自らの内から、自然に病気になるとの意味があります。もちろん現代のうつ病にストレス要因などを考慮しないわけにはいきませんが、主には内なる要因によってうつ病になったものを、内因性うつ病といいました(従来型の診断といいます。ギリシャ・ローマ時代からの伝統もあり簡単に捨て去れるものでもありません。現代の国際的な診断基準(ICD-10、DSM-IV)では内因性うつ病などの記載は全くなくなっており、病因を考慮せず、症状がいくつあるかで精神疾患を診断しようとするものです)。

 心療内科・精神科医は、患者さんとの会話の中で、患者さんの性格や生活歴、出来事、を丁寧にうかがいますが、まさに心因、外因、そして性格や家族歴などの内因を患者さんとともに気付いていくものです。うつ病・うつ症状については、特に先人が着目し、抽出されてきたものが、うつ病になりやすい性格でした。それが

・メランコリー親和型性格 (Tellenbach)

秩序愛、他者への過剰なまでの配慮

・執着気質 (下田)
   几帳面、熱中性徹底性


です。 内因性うつ病なる概念が消滅しつつあるようですが、やはり理念型としてでも内因性うつ病およびその性格論を理解しておく必要はあるように思います。
  (文責 大原一幸)。

2015-01-16 14:00:39

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うつ病、うつ状態について(1):うつ症状の多層性

 

うつ病・うつ状態について

うつ病は、意欲がでない、気分が落ち込む、眠れない、死にたくなる、などが主症状で、最近は一般の方にもよく認識されています。

 うつ病・うつ状態というと単一な病気があるものと思われるかもしれませんが、実は様々な疾患のあつまりであると理解するほうが現時点では適切のように思われます。上図の内因性軽症うつ病を典型的なうつ病と理解すると、それを中心として様々なうつ状態が存在しています。さらには中心部のうつ病も単一性と決していえないもので、その多様性については議論されています。

この様にうつ病・うつ状態の多様性は重層性を帯びているために、混乱し易いものと思われます。私自身は、伝統的なうつ病を中心に据えつつ、難治例や非定型例の位置づけを常に意識しつつ、診断、治療に当たっています。(文責 大原一幸)。

 

2015-01-15 21:21:09

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